オタク生産メモ

同人誌作る時のメモとか

小説同人誌、有料書体のすすめ

これは主に小説同人誌、ひろくはなにがしかの紙媒体で長文をやってる人向けの記事です。

 

インターネットの発達と親切な書体デザイナーさんたちのおかげで、無料でも小説の本文を組める書体がたくさんダウンロードできるようになりました。

好みはありますが

  • 源瑛こぶり明朝
  • しっぽり明朝
  • はんなり明朝
  • IPAex明朝体

ここらへんは十分タテ組の長文に耐えられる品質だと思います。

フリーの明朝体については

小説同人誌向け明朝体フリーフォントまとめ < ALBA LUNA

こちらのまとめがとてもよいのでご参考に。

 

さて、そんなフリーフォント全盛期の今ですが、声を大にして言いたい。


有料書体も安価&便利に使える!


ということでここからは有料書体をどうお得に手に入れるかというのをやっていきます。
前提として、あなたが学生の場合はモリサワパスポートとかLETSのアカデミック契約を結ぶ方が安いです。これはいい大人がフォントが欲しい時にどうするかというアレです。

趣旨的に「この書体が使いたい!」より「これを買うとこの書体が使える」のほうが分かりやすいと思うので、製品/サービスごとに紹介します。

 

定番、「一太郎 プレミアム」シリーズのバンドル書体

一太郎というワープロソフトがあります。もはやワープロではなく同人レベルではインデザインのシェアを食うレイアウトソフトになっているのでは?という問いはさておきます。この一太郎、大人が買うと25,000円くらいするのですが、これになんと1つ20,000円くらいするフォントが、本文に向いた明朝体だけでも複数個ついてきます。聞いただけでもお得だ。
特にいまWordでレイアウト・入稿してる人にはハチャメチャおススメです、書体に一太郎がついてくるので。


一太郎2019 プレミアム」

  • 秀英にじみ明朝 StdN L
  • 秀英明朝 Pr6N L
  • 秀英明朝 Pr6N M

書体見本はこちら→活字書体として誕生し、多くの書籍や文芸誌で使われる「秀英体」 | 一太郎2019 | ジャストシステム
プレミアムは通常版25,000円、アカデミック版が15,000円です。にじみがどれくらい本文に適してるかは使ったことがないのでわからないのですが、ウェイト(太さ)ちがいで秀英明朝が2種類手に入るだけでもお得。


一太郎2018 プレミアム」

書体見本はこちら→イワタ書体8書体 | 日本語ワープロソフト 一太郎2018 | ジャストシステム
プレミアムは通常版25,000円、アカデミック版が15,000円です。イワタ明朝体オールド(単品で買うと20,000円程度)はハヤカワ文庫の本文で使われているので、ハヤカワ文庫ごっこがどうしてもしたいなどの理由で購入するのはとてもいいことだと思います。


一太郎2017 プレミアム」

  • 筑紫明朝 Pr6N R
  • 筑紫Aオールド明朝 Pr6N R
  • マティス ProN M

書体見本はこちら→フォントワークス厳選10書体 | 日本語ワープロソフト 一太郎2017 | ジャストシステム
 公式では販売終了していますがまだ出回っているようなので載せておきます。
 この「筑紫書体」を作っているフォントワークスというのは基本的にフォントのバラ売りをしていない会社で、後述のmojimoをふくめてフォントを使うには年間契約が必要です。が、この一太郎2017は例外で買いきりです。どうしても欲しい!という場合は探すのも手かと思います。


救世主mojimo

フォントワークスが2017年から始めた「mojimo」は、指定された数種類の書体を年間契約で使い放題、というサービスです。もともと「LETS」というフォントワークス使い放題サービスがあったのですが、そっちは年会費だけで36,000円/年(1年契約の場合)です。やってられん。そんな中、1,200~3,600円/年で書体が使えるこのサービスがリリースされました。


「mojimo-kirei」

  • 筑紫明朝 LB
  • 筑紫B明朝 L
  • 筑紫オールド明朝 R
  • 筑紫アンティークS明朝 L

書体見本はこちら→mojimo-kirei|提供書体一覧|mojimo
基本的にはこっちがおススメかなという「kirei」。
価格は1,200円/年です。


「mojimo-manga」

  • 筑紫アンティークL明朝 L
  • 筑紫Aオールド明朝 R
  • UD明朝 L

書体見本はこちら→mojimo-manga|提供書体一覧|mojimo
漫画も描くよ~とか表紙で使いたい書体があるよ~という人はこっちでもいいかもしれません。
価格は3,600円/年です。

 

Indesignの契約

IndesignAdobeDTPソフトです。要は本のレイアウト専用ソフトで、小冊子印刷などがハチャメチャに便利です。CC(月単位契約)プランではAdobe Fontsがついてきて単体で2,180円/月になります。Adobe Fontsで利用できる代表的な本文用明朝体を挙げておきます。
ずっと契約するとなると高額になってしまいますが、入稿前の1ヶ月だけ契約するならお安く使えます。選択肢の一つに入るでしょう。


ばら売りフォントを買うという選択

以下は定価買いなのでお得ではないのですがいちおう紹介しておきます。


モリサワ Select Pack 1/3/5

(19,000円/51,300円/76,000円)
モリサワのこの書体が欲しい!!と決め打ちで買うならSelect Pack。一太郎に入ってないリュウミンが欲しいよ~とか、凸版文久明朝が使いたいよ~とか、そういう人はこういうブログを読む必要はないんじゃないか?


イワタ

イワタもばら売りをしていますが、一太郎2018が買えるあいだは一太郎の方がコスパがよいと思います。


ヒラギノ明朝/SCREEN

Macに標準でバンドルされてるフォントですが、単品で買えます。ウェイト(太さ)はW2かW3がよいとか聞きます。


游明朝/字游工房

最近のWindowsには標準でバンドルされていますが、単品でも販売されています。


小塚明朝

Adobeのソフトにバンドルされてますが単品でも買えます。ウェイトはLかRですかね。


補足)有料フォントを買う時に気をつけたい唯一のポイント

書体名の末尾についてる「Std」と「Pro」「Pr5」「Pr6」に注意しましょう。安いからといって「Std」をうっかり買うと大変なことになるかもしれません。
なんでかと言うと「Std」と「Pr6」では収録文字数に10,000字ほどの差があるのです。推しの名前を正確な漢字で表記したいオタクにはPr6をおススメします。何せ我々はいつ何時中華ファンタジーにハマるかわからないので。
参考リンク:


というわけで紹介でした。個人的にはmojio-kireiを契約して足りなかっなら足していき、ズルズルと深みにはまるのをお勧めします。書体沼たのしいよ!