A5・2段組小説のレイアウト・組版設定
今日はA5の2段組小説本を作るときにわたしが使っているレイアウトを公開します。
参考にしたのは「新潮」の設計です。
「新潮」は新潮社から出ている純文学系の文芸誌で、A5・平綴じの小説のための組版がなされています。他の純文学系文芸誌と比べるとややきつめに組まれており、これは完全に好みですが気に入ったので参考にしました。
他の純文学系文芸誌ではもうすこしゆるい組み方をされているため、ここでは「新潮」に準じた組版を「きつめ」、多数派を「ふつう」、よりゆるいものを「ゆるめ」としています。
また、サンプル文章は青空文庫より坂口安吾「桜の森の満開の下」を使用しています。
レイアウト・組版に使用した使用ソフトはIndesignCS6です。
ここではIndesignでレイアウトするときに必要な情報を出していますが、一太郎、Wordで組版をする際にもこの設定は流用できると思いますので、参考にしてください。
天地とかノドとかって何?
まず情報に付随する各所の名称を図示します。
いきなり天地とか言っても意味不明だと思いますが、要は余白の場所の名前のことで、小口というのはページをめくるほう、ノドは綴じてあるほうです。
また、行間と行送りの違いについては以下の通りです。
行送りというのは「文字も含む」行の幅のこと、行間は純粋な空白のことです。
では上記説明をもとに実際に組んだ結果画像を交えて紹介していきます。
実際に組んだ画像つきデータ
きつめ(これを多用しています)
フォントサイズ:9pt(12.7Q)
行間:5.3H(行送り18H=4.5mm)
1段27文字×26行
段間:10mm
天:12mm
地:16.55mm
ノド:19.325mm
小口:13mm
100P前後であればノドがきつくて読みにくいことはありません。より分厚い場合はノドを広げる必要があると思います。
ふつう(多くの文芸誌)
フォントサイズ:9pt(12.7Q)
行間:7.3H(行送り20H=5mm)
1段27文字×23行
段間:10mm
天:12mm
地:16.55mm
ノド:21.825mm
小口:13mm
これは割と標準的な組だと思います。私はこれだとページ数がかさむのであんまり使いませんが……。
ゆるめ(かなりゆるいです)
フォントサイズ:9pt(12.7Q)
行間:9.3H(行送り22H=5.5mm)
1段27文字×21行
段間:10mm
天:12mm
地:16.55mm
ノド:21.825mm
小口:13mm
かなりグスグスに組んである感じですが、ルビを多用する場合などはこれくらい行間があってもいいのかもしれません。
以上参考になれば幸いです。